不動産広告における表示の基準や掲載事項を定めた自主規制ルール
全国9地区の不動産公正取引協議会では、会員の不動産業界団体に所属する不動産事業者が守るべき自主規制ルールを運用し、そのルールを公正取引委員会と消費者庁から認定を受けている。それが、「不動産の表示に関する公正競争規約」や「表示規約施行規則」だ。前回の改正は、2012年5月31日に施行されたものなので、10年ぶりの大幅な改正となる。
電車等の所要時間や、物件から駅・商業施設等までの所要時間の規定を強化
主な改正点は、
(1)物件種別に「一棟売りマンション・アパート」を新設
物件種別に「一棟売りマンション・アパート」を新設した。また、必要な表示事項を定めた一覧表に「一棟売りマンション・アパート」を追加し、広告掲載の際に必要な表示事項を追加した。
(2)本広告を実施すべき広告媒体の変更
予告広告を実施した後に行う必要がある「本広告」について、予告広告と同一媒体(同一エリア)で行うほか、インターネット広告のみでも可能とする規定を追加した。
(3)物件名称の使用基準を緩和
物件が「公園、庭園、旧跡等」から直線距離で300m以内にあれば、これらの名称を使用できることとしていたが、「海(海岸)、湖沼、河川の岸又は堤防」も追加した。
また、「街道の名称」は、物件が面していないと使用できなかったが、直線距離で50m以内であれば使用できることとした。
(4)電車等の所要時間の規定を強化
「通勤時の所要時間が平常時の所要時間を著しく超えるときは通勤時の所要時間を明示すること」と規定していたが、「朝の通勤ラッシュ時の所要時間を明示し、平常時の所要時間をその旨を明示して併記できる」に変更した。
また、「乗り換えを要するときは、その旨を明示すること」と規定していたが、「乗り換えを要するときは、その旨を明示し、所要時間に乗換えに概ね要する時間を含めること」に変更した。
なお、時間の算出には、インターネットの乗換案内サイトの利用が可能。
(5)物件から駅や商業施設等までの所要時間や道路距離の規定を強化
マンションやアパートについては、「建物の出入り口を起点」とすることを明文化した。
また、販売戸数(区画数)が2以上の分譲物件においては、最も近い住戸(区画)までの徒歩所要時間等を表示することとしていたが、最も遠い住戸(区画)までの所要時間等も併記することにした。
(6)未完成の新築住宅等の外観写真の規定を緩和
建物が未完成等の場合には、取引する建物と「規模、形質及び外観が同一の他の建物」に限り表示を認めていたが、同一でなくても、以下の条件に当てはまれば、他の建物の外観写真を表示できるように変更した。
取引する建物を施工する者が過去に施工した建物であること
構造、階数、仕様が同一であること
規模、形状、色等が類似していること
(7)学校等の公共施設やスーパー等の商業施設を表示する場合の規定を緩和
物件からの道路距離を記載することとしていたが、これに加えて、徒歩所要時間の表示も可能とした。
(8)住宅ローン表示の規定を緩和
提携ローンと紹介ローンの別の記載を義務づけていたが、この規定は削除された。
(9)二重価格表示の規定を緩和
過去の販売価格を比較対象とする二重価格表示について、「3ヶ月以上前に公表された価格で3ヶ月以上販売していなければできない」としていたが、「直前の価格で2ヶ月以上」販売していれば可能とした。
二重価格表示をするための条件は、以下のとおり。
過去の販売価格の公表日および値下げした日を明示すること
比較対象とする過去の販売価格は、値下げの直前の価格であって、値下げ前に2ヶ月以上にわたり実際に販売のために公表していた価格であること
値下げの日から6ヶ月以内に表示すること
過去の販売価格の公表日から、二重価格表示を実施する日まで、物件の価値に同一性が認められるものであること
土地(現況有姿分譲地を除く)または建物(共有制リゾートクラブ会員権を除く)についての表示であること
(10)必要な表示事項を追加
新築分譲マンションや中古マンションの広告で「管理員の勤務形態」を追加するなどの変更を行った。
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