~賃貸借契約の種類と内容?!~
貸借契約は大きく分けて契約を更新することができる賃借契約(普通賃貸借契約)と契約を更新することが出来ない賃貸借契約(定期建物賃貸借契約)があります。
普通賃貸借契約には例外として一時使用建物賃貸借契約と終身建物賃貸借契約があります。
~普通賃貸借契約~
一般的に締結される建物賃貸借契約の大半が普通賃貸借契約(普通借家契約です)
☑ 契約期間
契約期間は1年以上で設定しますが、通常は、契約期間を2年とすることが多いようです。なお、契約期間を1年未満とした場合には、期間の定めのない契約となります。
☑ 借り主からの中途解約
中途解約に関する特約を定めることができます。解約の予告期間を定めたり、直ちに解約する場合に支払う金銭の額について定めていることが多いようです。
☑ 貸主からの解約
借り主が引き続き住むことを希望している場合には、貸主からの解約や、契約期間終了時の更新の拒絶は、貸主に正当な事由(どうしてもそこに住まなければならないなど)がない限りできません。したがって、普通借家契約の契約期間は貸主の事情と借り主の意向に左右されることになります。
一時使用建物賃貸借契約(一時使用借家)
自分の住んでいる住宅の建て替えなどの仮移転先などとして短期間だけ住宅を使用する場合等に利用される契約形態です。
一時使用の為に建物の賃貸借契約をしたことが明らかな場合には借地借家法の適用が有りません。
一時使用建物賃貸借契約では一時使用のための契約であることが明らかである必要があるため契約には使用目的を具体的に(自宅建て替え工事期間)記載するなどの注意点があります。
この一時使用賃貸借契約であることが明らかでない場合には普通賃貸借契約とされ借地借家法の適用を受けることになります。
終身建物賃貸借契約(終身借家)
終身建物賃貸借制度は、「高齢者の居住の安定確保に関する法律」に基づき、高齢者単身・夫婦世帯等が終身にわたり安心して賃貸住宅に居住することができる仕組みとして、借家人が生きている限り存続し、死亡時に終了する相続のない一代限りの借家契約を結ぶことができる制度です。
~定期建物賃貸借契約~
定期建物賃貸借契約は普通賃貸借契約と異なり更新のない賃借契約です。
☑ 契約期間
契約の更新がない契約で、契約期間が終了した時点で確定的に契約が終了し、確実に明け渡しを受けることができます。なお、契約期間は自由に定めることができます。
☑ 契約の締結方法
契約期間を確定的に定めた上で、公正証書等の書面によって契約することが必要です。また、契約書とは別にあらかじめ書面を交付して、契約の更新がなく、期間の満了とともに契約が終了することを借り主に説明しなければなりません。貸主がこの説明を怠ったときは、その契約は定期借家としての効力はなくなり、普通借家契約となります。
☑ 中途解約
居住用建物の定期借家契約では、契約期間中に、借り主に転勤、療養、親族の介護など、やむを得ない事情が発生し、その住宅に住み続けることが困難となった場合には、借り主から解約の申し入れができます。この場合、解約の申し入れの日から、1ヶ月が経過すれば、契約が終了します。
ただし、この解約権が行使できるのは、床面積が200㎡未満の住宅に居住している借り主に限られます。
☑ 契約終了時
契約期間が1年以上の場合は、貸主は期間満了の1年前から6ヶ月前までの間に、借り主に契約が終了することを通知する必要があります。なお、貸主と借り主が合意すれば、再契約することは可能です。
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