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「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」制定の背景

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「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」制定の背景

賃貸住宅は、単身世帯の増加等を背景に生活基盤としての重要性が一層増大しています。
一方、賃貸住宅の管理については従前、自ら管理を実施するオーナーが中心でありましたが、オーナーの高齢化や相続に伴う兼業化の進展等により、賃貸住宅の管理について知識・経験に乏しいオーナーが増加し管理業者に委託するケースが増えています。
しかしながら、管理業務の実施を巡り管理業者とオーナー又は入居者との間でトラブルが増加しており、特に賃貸住宅経営にかかわる様々な業務をサブリース業者にいわば一任できるサブリース方式についてはマスターリース契約後、家賃減額や契約解除等を巡るトラブルが多発し社会問題化した例も出ていることから対応が喫緊の課題となっています。


 

「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」の概要

ガイドライン策定の目的は、サブリース事業に係る規制の実効性を確保しサブリース業者等とオーナーとの間のトラブルを防止するため、法の規制対象や法違反となり得る具体的な事例を明確化しこれらの規制の内容を関係者に分かりやすく示すことです。


 (1) 規制の対象となる勧誘者

サブリース事業においては、サブリース業者が賃貸住宅の建設を請け負う建設業者やその土地等の売買の仲介を行う不動産業者等と連携しオーナーとなろうとする者に対しての勧誘が一般的に行われています。よって、サブリース業者が第三者に勧誘を委ねることにより、勧誘規制を免れることのないよう特定のサブリース業者と特定の関係性を有するものであって、当該サブリース業者のマスターリース契約の締結に向けて、サブリース業者が勧誘を行わせる者を「勧誘者」と位置付けています。この「勧誘者」に該当すると、サブリース業者と同様に(2)の行為が禁止されます。なお、サブリース業者から勧誘を委任されている者の中には、個人のオーナーなども含まれ、サブリース業者が勧誘を行わせるに当たっての依頼形式や資本関係は問いません。


 (2) サブリース業者又は勧誘者が禁止される誇大広告・不当勧誘

マスターリース契約の締結を促す広告において、メリットのみを強調して、賃貸住宅経営のリスクを小さく見せる表示等の誇大広告を行った場合、オーナーとなろうとする者は広告の内容の真偽を判断することは困難であること、また、誤った情報や不正確な情報による勧誘や強引な勧誘により、契約について正しい情報が得られない、又は正しい判断ができない環境下に置かれることになり、オーナーとなろうとする者が契約の内容を誤認したままマスターリース契約を締結することで、甚大な損害を被る可能性があります。そのため、ガイドラインでは、借地借家法第32条の規定により家賃減額のリスクがあることや、借地借家法第28条の規定によりオーナーからの更新拒絶には正当事由が必要であることを表示しない、又は、告げずに勧誘した場合は誇大広告・不当勧誘に該当する可能性があるなど、オーナーの誤認を防ぐためにサブリース業者又は勧誘者が行うべき広告の方法、誇大広告・不当勧誘に該当する事例を具体的に明示しています。なお、虚偽の表示により相手を欺く虚偽広告についても、誇大広告と同様に禁止しています。


 (3) オーナーに説明すべき家賃減額リスク等

サブリース業者とオーナーとなろうとする者との間では、経験・専門知識等に大きな格差があります。
サブリース業者の中には、このような格差を利用し将来的な家賃の減額等が生じる可能性があるにもかかわらず、家賃改定条件、契約解除条件など借地借家法による制約も含め賃貸住宅経営にはリスクがあることを十分に説明せず、契約内容を誤認させたまま、契約を締結させる悪質業者が存在します。
よって、オーナーとなろうとする者が契約内容を正しく理解した上で、適切なリスク判断のもと、契約を締結することができる環境を整えるため、契約締結前にオーナーとなろうとする者に書面を交付し、説明することが義務付けられています。なお、ガイドラインではマスターリース契約の内容を十分に理解するために、説明から契約締結までに1週間程度の十分な期間をおくことが望ましいものとしています。

 

 

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