国土交通省は28日、「水災害リスクを踏まえた防災まちづくりのガイドライン」を公表した。
2020年8月にまとめられた「水災害対策とまちづくりの連携のあり方検討会」の提言を踏まえ、防災まちづくりに取り組む地方公共団体等を支援することを目的に、気候変動により増大する水災害リスクに対する水災害対策とまちづくりのより一層の連携を推進するための考え方・手法をガイドラインとして示した。
ガイドラインでは、治水部局やまちづくり部局など関係者が連携して防災まちづくりに取り組むことができるよう、
(1)多段階の頻度における浸水想定や河川整備前後の浸水想定等の防災まちづくりに活用できる水災害に関するハザード情報の充実
(2)ハザードの特性や地域の状況に応じた地域ごとの水災害リスクの評価
(3)水災害リスクの評価に加え、地域の持続可能性やまちづくり全体との総合的なバランスを考慮した、防災まちづくりの方向性の決定
(4)水災害リスクが存在する区域における、リスクを軽減または回避するための総合的な対策の検討および地域の関係者との合意形成
(5)流域・広域の視点からの関係者の連携体制の構築、人材の確保・育成等、についての基本的な考え方を提示している。
すでに公表されているハザード情報(法定の洪水浸水想定区域、治水地形分類図等)に加え、防災まちづくりに活用できるハザード情報(より高頻度の浸水想定や河川整備前後の浸水想定等)を新たに作成。ハザード情報に加え、暴露および脆弱性の情報により水災害による損失を示す「水災害リスク」を評価。ハザードの特性や地域の状況に応じて、水災害リスクの評価項目を設定する。評価した水災害リスクを可能な限り避けることを原則としつつ、都市の構造、歴史的な形成過程、人口・経済・土地利用の動態等を踏まえ、地域の持続可能性やまちづくり全体との総合的なバランスを考慮し、防災まちづくりの方向性を決定する。
同省では、ガイドラインを地方公共団体等に積極的に周知。流域治水プロジェクトや立地適正化計画の作成等において、水災害リスクを踏まえた防災まちづくりが推進されるよう支援する方針。
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